宇宙飛行士、金井宣茂さん12月に福井で講演 坂井市の福井県児童科学館で

ソユーズ宇宙船で中央アジア・カザフスタンの草原地帯に帰還し、笑顔を見せる金井宣茂さん=2018年6月3日
ソユーズ宇宙船で中央アジア・カザフスタンの草原地帯に帰還し、笑顔を見せる金井宣茂さん=2018年6月3日

国際宇宙ステーション(ISS)に5カ月半滞在した宇宙飛行士、金井宣茂さんが宇宙での任務や暮らしについて報告するイベントが2018年12月9日、福井県坂井市の福井県児童科学館で開かれる。金井さんは自身が担当した科学実験などを説明して宇宙でのミッションの成果を紹介するほか、来場者の質問にも答える。今年2月に開かれた金井さんとの交信イベントに続き、県民に宇宙を身近に感じてもらう機会になりそうだ。

宇宙分野や科学技術に携わる人材育成を目指し展開している福井新聞社の「ゆめ つくる ふくい」プロジェクトが主催、同館が共催する。宇宙航空研究開発機構(JAXA)の企画に応募し、23日までに採用された。全国から22件の応募があり、同プロジェクトを含め5件が選ばれた。

金井さんは2017年12月からISSに滞在し、18年6月に地球に帰還した。健康長寿をテーマに新薬の開発に役立つ可能性のあるタンパク質の結晶作りや、マウスの飼育などの実験に取り組んだ。船外活動にも挑戦し、ロボットアームの装置交換などを成功させた。2月23日には、ISSと同館を結んだ交信イベントがあり、県内の小中高生と金井さんが交流した。

ミッション報告会は12月9日午後1時~同4時の間の2時間を予定。金井さんがISSでの任務や実験について紹介した後、日本実験棟「きぼう」の運用管制官のトークショーがある。前日の8日には、宇宙に関連する体験イベントなどを同館で開催する予定。報告会の参加者は後日、公募する。

プラネタリウムの投映機製作さぁ本番 作業本格化、ドーム素材選びも

プラネタリウムのドームを構成するパーツ製作に向け、型取りをするメンバー=福井市の福井大文京キャンパス
プラネタリウムのドームを構成するパーツ製作に向け、型取りをするメンバー=福井市の福井大文京キャンパス

 福井県内の大学生と高校生、福井新聞の記者が、持ち運び可能なプラネタリウムドーム製作に取り組んでいる「どこでもプラネタリウム(どこプラ)プロジェクト」(清川メッキ工業、鯖江精機、ナカテック特別協力)は、9月から本番用のプラネタリウム製作をスタートさせた。6月に完成させた試作機では、星の見せ方や、ドーム素材の選び方など本番用の製作に向け課題が浮上。一つ一つクリアしながら、作業はいよいよ本格化してきた。

 試作機は、黒色ビニールシートを扇風機で膨らませて直径3メートルのドームを作り、中に設置した投映機で星空を映す仕組み。投映機は直径約30センチの半球のアクリル製容器に小さな穴を開け、内側に設置した電球で照らす。

 ただ、試作機はあくまで本番に向けた実験的な要素が強く、「本物」の星空を再現するためには改良が必要だ。例えば投映機は、南半球の星空も映せるように、半球容器を二つにしたり、耐久性を高めるためにアルミ製にする。また季節や時間による星の動きの変化を見せるために、回転機能を備えることにした。

 「でも、回転する機能って自分たちだけでできるかなぁ…。機械に詳しい学生はいないかな―」。そこで、福井高専機械工学科5年渡辺虎生太さんに白羽の矢を立てた。渡辺さんは、昨年度に福井高専生らが打ち上げた「スペースバルーン」でリーダーを務めた。快く引き受けてくれた渡辺さんが9月から「助っ人」として加わり、同校の3Dプリンターで作った部品や、市販の機器などを組み合わせて投映機の製作を進めている。

 一方、ドーム部分も改良が必要だ。試作では、ビニールシートが薄くて遮光性が低かった上、黒色のため光を吸収してしまい、星が見えづらかった。その反省を踏まえて素材を改めて選定中。ドームの外側は遮光性を高めるために黒色にし、内側は光を見えやすくするために白色にする予定だ。

 大きさも子ども20~30人が同時に鑑賞できるよう、直径3メートルから5メートルに拡大することにした。現在は段ボールで型紙を作っている。

 メンバーの小川実咲貴さんは「本番用の投映機やドームはより正確な作業が求められる。きれいな星空を再現するため、みんなで協力して頑張りたい」と意気込んでいる。

天体観測に熱中「火星見えた!」 スペースキッズ星空キャンプ詳報

大型望遠鏡をのぞく児童=8月3日、福井県大野市の県自然保護センター
大型望遠鏡をのぞく児童=8月3日、福井県大野市の県自然保護センター

野外体験や科学実験を通して宇宙への興味を育む福井新聞社の「スペースキッズ」(福井信用金庫特別協賛)の夏イベント「星空キャンプ」が8月3、4の両日、福井県大野市の県奥越高原青少年自然の家などで開かれた。県内小学5、6年生約80人が連日の猛暑にも負けず、元気いっぱいに活動。地球に「大接近」した火星や美しい星空を観察したり、ペットボトルロケットを作ったりして宇宙と科学の魅力を体感する貴重な時間を過ごした。

⇒【写真集】星空キャンプのアルバムを見る

■火星見えた!!

「おー、すごい。赤い星が見えるぞ」。県自然保護センターの天体観察室に、大きな歓声が響いた。口径80センチの県内最大の望遠鏡で、15年ぶりに地球に「大接近」している火星を見て最高の思い出をつくった児童たち。木星や土星も観測することができ、未知なる宇宙への関心を大いに深めていた。

天体観測をした3日夜は雲が少なく、同センター天文指導員の山岸登美子さんも「今シーズンで最も見える日ですね」と話すほどの観測日和。昨年のキャンプでは雨が降って観測できなかっただけに、スタッフも興奮気味だった。

火星が観測できたのは南東の空。地球から遠い時期に比べて大きさが6~7倍、明るさが約40倍といい、山岸さんは「5759万キロまで最接近した7月31日とほぼ同じ大きさで見えますよ」と説明した。児童は待ちきれない様子で次々に望遠鏡をのぞき込み「見えた!!」「きれいだったね!!」と感想を言い合っていた。地球の11倍の大きさの木星は、特徴的なしま模様が観測できたほか、土星も周囲の輪を含めてはっきり見えた。

吉田彩乃さん(越前町)は「いろんな星を観測できてうれしかった。木星の衛星もよく見えた」と声を弾ませた。天文指導員に憧れているといい、「星に関する神話が好きなので、もっと詳しくなって説明できるようになりたい」と夢を語った。物理学者になりたいという佐藤寛晃君(越前市)は「火星を見ることができて感激。いろんな星に行ってみたいし、ブラックホールなど宇宙の謎を解き明かしてみたい」と目を輝かせていた。

同センター内では、プラネタリウム鑑賞も楽しんだ。直径約7メートルのドーム型天井に六呂師高原から見える満天の星空が映し出されると、「きれい!!」と歓声が上がった。夏の大三角をつくる「こと座」「わし座」「はくちょう座」の見方や星の特徴についてセンターのスタッフから説明を受けた。

北斗七星は「死」、南斗六星は「生」をつかさどる仙人に見立てられているという中国の伝説も紹介された。児童は、昔の人たちの宇宙観や地域の民族性に触れ、星空への興味を深めていた。

天体観測後に同センターを出ると、夜空には無数の星々が輝いていた。天の川も確認でき、児童は「うわーきれい」「こんなにたくさん見えるなんて」とうっとり。「日本一」に選ばれたこともある六呂師高原の星空を存分に堪能した。

■カレー作り、みんなで協力

3日の夕食はキャンプ場でカレーライス作りに挑戦した。各班のメンバーで話し合い、火おこし、野菜切り、皿洗いなど役割を分担して取り組んだ。

なたを使ったまき割りでは、「ゆっくりでいいよ」と声を掛け合って慎重に作業。野菜を切る場面でも「細かい方が火が早く通るから」と協力しながら約2時間で仕上げた。

「みんなで作ったカレーはおいしいね」と大きな口を開けて、出来たての味を楽しんでいた。

■お金の大切さ勉強

福井信用金庫による金融教室では、子どもたちがお金や信用金庫・銀行の役割、大切さを学んだ。

講師を務めた福井信金地域交流室長の寶田(ほうだ)敬裕さんは、お金の機能には▽物やサービスの交換▽価値保存▽価値尺度―の三つがあると説明。「お金がないとどうなる?」「信金・銀行がないと何が困る?」などと質問を投げ掛け、金融が生活に身近な存在だと教えた。

子どもたちはお小遣いの使い道を決めるときの考え方や、計画の立て方も学んだ。

ペットボトルロケットに熱中 スペースキッズ星空キャンプ詳報

勢いよく飛んでいくペットボトルロケット=8月4日、福井県勝山市の雁が原スキー場
勢いよく飛んでいくペットボトルロケット=8月4日、福井県勝山市の雁が原スキー場

野外体験や科学実験を通して宇宙への興味を育む福井新聞社の「スペースキッズ」(福井信用金庫特別協賛)の夏イベント「星空キャンプ」が8月3、4の両日、福井県大野市の県奥越高原青少年自然の家などで開かれた。県内小学5、6年生約80人が連日の猛暑にも負けず、元気いっぱいに活動。地球に「大接近」した火星や美しい星空を観察したり、ペットボトルロケットを作ったりして宇宙と科学の魅力を体感する貴重な時間を過ごした。

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■飛べ!マイロケット

「100メートル飛ばすぞ!」。8月4日に勝山市の雁が原スキー場で開かれたペットボトルロケットの発射大会。カラーテープやフェルトペンで思い思いにデザインした「マイロケット」を夏の青空に向けて打ち上げ、飛距離を競った。

ロケット作りは、前日の3日に行った。講師の県児童科学館(坂井市)職員から、ペットボトル内の水が空気で押し出される反動で飛ぶ原理を学んだ後、製作スタート。容量1・5リットルのペットボトルの側面に取り付けた羽根は、より遠くに飛ぶように、三角や流線形にするなど工夫した。また星や動物のイラストを描いて、カラフルに仕上げた。

発射大会では、自慢のロケットに水を注入し、発射台に設置して準備完了。「3」「2」「1」、パシュー。勢いよく水しぶきを上げて飛び出したロケットは、雲一つない青空にきれいな放物線を描いた。

発射は1人2回ずつ。狙い通りに真っすぐ飛ばなかったり、飛距離が出なかったりした子どもは、ロケット先端部の角度を微調整するなどして2回目に臨んだ。1回目より遠くに飛ばすと、「よっしゃー」とガッツポーズして満足そうな笑顔を見せていた。

■最長記録は僕たち

1回目の最長記録は、鈴木桜月君(鯖江市)の78メートル。「イカちゃん号」と名付けた自慢の愛機について「どこがうまくいったのかは分からないけど、思ったより遠くまで飛んだ」と驚いた様子だった。

2回目は、山内諒人君(福井市)が80・5メートルとこの日の最長記録を達成した。「重くならないようシンプルに作ったのが良かったのかな」と勝因を分析。何度かペットボトルロケットを作った経験があるといい、「今までで1番うまくできた」と誇らしげにロケットを掲げた。

子どもたち興奮、大接近の火星くっきり スペースキッズキャンプ

「火星見えたぞ!!」。興奮した様子で大型望遠鏡をのぞくスペースキッズのメンバー=8月3日夜、福井県大野市の県自然保護センター

「火星見えたぞ!!」「あの星の近くまで行ってみたいな」。8月3日に福井県大野市の県奥越高原青少年自然の家などで開かれた福井新聞社の「スペースキッズ」(福井信用金庫特別協賛)の夏イベント「星空キャンプ」では、県内の小学5、6年生約80人が天体観測を満喫した。15年ぶりに「大接近」している火星をはっきりと見ることができ、児童は大興奮。惑星の観察を通じて宇宙への夢を大きく広げた。

⇒星空キャンプの写真集はこちらから

天体観測は県自然保護センターの天体観察室で午後7時半から始まった。同センターの天文指導員が口径80センチの県内最大の望遠鏡や、ここから見える金星、木星、土星、火星について説明。星々の集まりである星団なども観察できると紹介した。

この日は満天の星空が広がる絶好のコンディションで、多くの惑星を見ることができた。中でも火星は、地球から遠い時期に比べて大きさが6~7倍、明るさが約40倍といい、「7月末に最接近したときと、ほぼ同じ大きさで見えます」と天文指導員。望遠鏡をのぞき込んだ児童は「すごい。赤い星がはっきり見えた」と感激した様子だった。

地球の11倍の大きさの木星は、特徴的なしま模様が観測できたほか、土星も周囲の輪を含めてはっきり見えた。稲葉友人君(鯖江市)は「火星や土星を自分の目で初めて見ることができてうれしい。宇宙飛行士になって火星まで行ってみたいな」と夢を描いていた。

プラネタリウム鑑賞も楽しんだ。直径約7メートルのドーム型天井に満天の星空が映し出されると、「きれい」と歓声を上げていた。夏の大三角を作る、こと座、わし座、はくちょう座の見方や星の特徴について説明を受けた。中国では、北斗七星は「死」、南斗六星は「生」をつかさどる仙人に見立てているとの物語も学んだ。

松山琴音さん(福井市)は「星にまつわる中国の物語は初めて聞いた。まだまだ知らないことがたくさんあって星座は面白い」と話していた

惑星大きい!天体観測に興奮 スペースキッズ、大野でキャンプ

大型望遠鏡をのぞき惑星を観察するスペースキッズのメンバー=8月3日夜、福井県大野市の県自然保護センター
大型望遠鏡をのぞき惑星を観察するスペースキッズのメンバー=8月3日夜、福井県大野市の県自然保護センター
大型望遠鏡をのぞき惑星を観察するスペースキッズのメンバー=8月3日夜、福井県大野市の県自然保護センター

野外体験や科学実験を通して宇宙への興味を育む福井新聞社の「スペースキッズ」(福井信用金庫特別協賛)の夏イベント「星空キャンプ」が8月3日、福井県大野市の県奥越高原青少年自然の家などを舞台に2日間の日程で始まった。小学5、6年生約80人が天体観測やペットボトルロケット作りに取り組んだ。

イベントは、宇宙分野や科学技術に携わる人材育成を目指そうと福井新聞社が展開している「ゆめ つくる ふくいプロジェクト」の一環。昨年に続き開いた。

天体観測は県自然保護センターで行われた。口径80センチの県内最大の望遠鏡を目にした児童は「大きい」とびっくりした様子。地球に「大接近」した火星や木星のしま模様もはっきりと確認でき、望遠鏡から見える惑星の美しさに感激していた。

ペットボトルロケット作りでは、県児童科学館(坂井市)職員の説明を受けた後、思い思いのデザインを考え自分だけのロケットを完成させた。渡辺悠樹君(福井市)は「100メートルは飛ばしたい」と話し、4日に開かれるペットボトルロケット大会を心待ちにしていた。

福井信金による金融教室もあった。

愛知教育大学を視察「負けられない」 どこでもプラネタリウム先行団体

愛知教育大天文愛好会COREが製作したプラネタリウムドーム内で、横井会長(右)から説明を受ける福井大の浅見さん=愛知教育大
愛知教育大天文愛好会COREが製作したプラネタリウムドーム内で、横井会長(右)から説明を受ける福井大の浅見さん=愛知教育大
愛知教育大天文愛好会COREが製作したプラネタリウムドーム内で、横井会長(右)から説明を受ける福井大の浅見さん=愛知教育大

プラネタリウムドーム製作に向け、“先進団体”の事例を参考にできないか。そう考えた「どこプラ」メンバーは、7月6日に愛知教育大(愛知県刈谷市)の天文愛好会COREを訪ねた。同会が作った投映機には、鑑賞者を楽しませる工夫が詰め込まれており、メンバーは大いに刺激を受けた。

同会の学生6人から説明を受けた。投映機はわれわれと同じ半球の容器だったが、回転させたり、光の明るさを調節したりする機能を備えていた。最も驚いたのは、朝焼け、夕焼けを演出できる仕組み。ドームの外から、赤、緑、青の光の三原色のLEDで照らして再現するという。

ドームは直径3メートルで、白色の布製。軽量なため、たためば持ち運びも可能だ。同会会長の横井瑛一さん(同大3年)は「軽い素材にこだわりました」と話し、送風機3台を使ってドームを膨らませることができると教えてくれた。実際に投映機を作動させると、ドーム内に美しい星々が浮かび上がり、われわれの試作機とは雲泥の差だった。

地域の公民館などに出張してプラネタリウムを上映するときの説明プログラムは、季節ごとに流す音楽を変えるなどして飽きさせないよう心掛けているという。福井大の浅見祥宏さんは「すごいですね。自分たちも負けていられませんよ」と火が付いた様子だった。

プラネタリウム試作品完成 1号機の星ぼんやり…「おかしいな」 

プラネタリウムドームの前で記念撮影するプロジェクトメンバー=福井大の文京キャンパス
プラネタリウムドームの前で記念撮影するプロジェクトメンバー=福井大の文京キャンパス
プラネタリウムドームの前で記念撮影するプロジェクトメンバー=福井大の文京キャンパス

福井県内大学生と高校生、福井新聞の記者が、持ち運び可能なプラネタリウムドーム製作に取り組んでいる「どこでもプラネタリウム(どこプラ)プロジェクト」(清川メッキ工業、鯖江精機、ナカテック特別協力)は、6月末に試作の1号機を製作した。黒色のビニールシートを扇風機で膨らませ、中に設置した投映機で星空を映す仕組みだ。試しに見てみようと、福井大の教室内にドームを設置。数百の星々がきらめく様子を思い浮かべながら、投映機の電源を入れると―。

「おかしいな」。ドーム内で電源を入れた浅見祥宏さん(福井大工学部応用物理学科3年)が首をかしげた。投映機に手をかざすと星の輝きは確認できるが、ドーム内部にはかすかな光が見えるだけ。ほかのメンバーも「鑑賞できる代物ではないね…」。思い描いたプラネタリウムとは異なっており、教室内は重~い空気に。

それにしても、なぜ星がはっきり映らないのか。原因を探ってみた。投映機は「ピンホール式」と呼ばれるものを製作した。直径約30センチの半球のアクリル製容器に小さな穴を開け、内側に設置した電球で照らす仕組み。投映機を回転させて星の動きを見せられるようにするなど、より楽しめる工夫が必要だが、これ自体に大きな問題はなかった。

一方、ドーム部分には多くの課題が見つかった。使用しているビニールシートが薄くて遮光性が低い上、黒色のため光を吸収してしまう。そのため、星が見えづらくなっていたようだ。
メンバーは「事前の検討が足りなかった」と反省しきり。この失敗を次に生かすことが大事だ。私たちならではの特徴を備えた投映機やドーム製作を目指し、検討を重ねている。

プラネタリウム、試作品作りに奮闘中 ドームや投影機「課題山積み」

ドームを作る作業。素材のビニールシートを二等辺三角形に切って張り合わせるための準備として、段ボールを使って印をつけていく=福井県福井市の福井大学文京キャンパス
ドームを作る作業。素材のビニールシートを二等辺三角形に切って張り合わせるための準備として、段ボールを使って印をつけていく=福井県福井市の福井大学文京キャンパス
ドームを作る作業。素材のビニールシートを二等辺三角形に切って張り合わせるための準備として、段ボールを使って印をつけていく=福井県福井市の福井大学文京キャンパス

持ち運び可能なプラネタリウムドームを作り、子どもたちに星空を楽しんでもらう「どこでもプラネタリウムプロジェクト」(清川メッキ工業、鯖江精機、ナカテック特別協力)がスタートして3カ月。メンバーの大学・高校生と本紙記者は、まずは小型版の試作に奮闘中だ。投映機の形やドームの素材など、すべて自分たちで考えながら作業を進めているため、たびたび課題にぶつかる場面も…。一つ一つ地道にクリアしながら、本番用のドーム完成に向けて前進している。

星800個

最終目標は子ども約30人が入れるドーム(直径5メートル予定)を本年度内に作ること。まずは試作を通じて完成イメージを膨らませることにした。

投映機は、比較的手軽に製作できるとの情報を元に「ピンホール式」を採用。直径約30センチの半球のアクリル製の容器に小さな穴を開け、内側から照らすことでドームの天井に星を映す仕組みだ。

穴の大きさは星の明るさ(1~4等星)によって変える。1等星を映す最も大きな穴は直径2ミリ、最も小さな穴は同0.5ミリで、合計約800個。星の座標を記した紙をアクリル容器に貼り、星の部分を電動ドリルで開けていく。想像以上に慎重かつ根気のいる作業だ。これに光源の豆電球や電池、土台の木箱などを組み合わせ、投映機に仕上げる。

今後は、実際に星を鮮明に映し出せるかや、星空を回転させるなどの「見せ方」をどうするかが課題になりそうだ。

課題山積み

投映機を包むドームは、農業用の黒いビニールシートを使用。段ボールで二等辺三角形の型紙を作り、それに合わせて切ったシート16枚をテープでつなぎ合わせて作った。

扇風機で風を送って膨らませる実験を進めているが、空気が漏れて膨らまなかったり、シートの遮光性が低かったりするなど、素材選びでも頭を悩ませている状態だ。

メンバーは引き続き試作や実験を進めながら、プラネタリウムドームを製作した経験がある他県の大学への視察も計画している。

学生のリーダーを務める福井大工学部応用物理学科3年の浅見祥宏さんは「メンバー全員が初心者で、ゼロからのスタートのため課題は山積み。それでも満天の星空やオリジナルの星座を見せたい強い気持ちがあるので、みんなで協力しながら実現させたい」と意気込んでいる。

手作りパラシュートに熱中 スペースキッズ、坂井でコンテスト

パラシュート作りに取り組むスペースキッズのメンバー=6月30日、福井県坂井市の県教育総合研究所
パラシュート作りに取り組むスペースキッズのメンバー=6月30日、福井県坂井市の県教育総合研究所

科学実験などを通して宇宙への興味を育む「スペースキッズ」(福井信用金庫特別協賛)のイベント「パラシュートコンテスト」が6月30日、福井県坂井市の県教育総合研究所で開かれた。県内小学5、6年生約80人が、コーヒーフィルターで作ったパラシュートを落下させる競技を楽しんだ。

⇒「パラシュートコンテスト」のウェブ写真館はコチラから

イベントは、宇宙や科学技術に携わる人材育成を目指そうと福井新聞社が展開している「ゆめ つくる ふくい」プロジェクトの一環。同研究所の協力を得て実施した。

紙製のコーヒーフィルターと金属のおもり、糸を材料に、子どもたちは3~4人のチームに分かれて製作した。フィルターを複数枚つなげるなど工夫し、ゆっくり落ちるパラシュートを目指して試行錯誤を重ね、科学の楽しさや難しさを体感した。

コンテストは、講堂として使われている体育館で行った。高さ約7メートルの天井付近に、各チームのパラシュートを入れた箱を設置。合図とともに箱の底を開かせて、パラシュートを落下させた。滞空時間と、地面の的の中心にどれだけ近く落下したかで競った。子どもたちは祈るような表情でパラシュートの落下を見守り、狙い通りの結果が出ると歓声を上げて喜んだ。

優勝したのは、フィルターを4枚つなげたパラシュートを作り、5・87秒の滞空時間を記録した鶴谷百恵さんらのチーム。鶴谷さんは「空気の抵抗が大きくなるよう工夫した。優勝できて、とってもうれしい」と満面の笑みを浮かべていた。